強調個所へのジャンプ
強調個所へのジャンプ
ウェブアクセシビリティ入門 第98号
発行日 :2006年10月30日
皆さんこんにちは。
ウェブアクセシビリティ・プランナーの望月優です。
今、アメディアは、今週末のサイトワールドの準備でてんてこ舞いです。
なにせ、「世界初」と銘打った大イベントです。
そして、私もその仕掛け人の一人なのです。
本誌読者の皆さんには、4日の土曜日にきて頂いて、午後1時からの
にご参加いただけると大変嬉しいです。
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。
[強調個所へのジャンプ]
前号では、音声ブラウザ利用者へのウェブサイト制作者の最低限の配慮の一つとして、内容の基点となるところに見出しタグを使ってください、と書きました。
ところが、実際には、これが守られていないサイトもかなり多いわけです。
例えば、新聞社のサイトで言えば、アサヒコム
http://www.asahi.com/
では見出しタグが使われていますが、
Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/
では使われていないのです。
もちろん、「メニューを飛ばして本文へジャンプ」などというメニュースキップリンクも Yahoo!ニュースの方にはありません。
こんなとき、視覚障害者はどうするのでしょうか。
A.タブキーを押してリンクだけを辿って本文を探す。
↑これだと、本文自体を飛び越してしまう場合があります。
B.10行ジャンプ機能を用いて、10行ずつ進みながら探す。
↑これでも、本文の先頭を通り過ぎてしまう場合があります。
ただ、本文の先頭を通り過ぎても本文の中に着地することがあるので、リンクだけを辿ったときよりもましです。
C.ひたすら聞いて、本文が出てくるまで待つ。
↑これなら、本文の先頭を聞き逃すことはまずありませんが、おそろしく読みたいところまでたどり着くのに時間がかかります。
実際の視覚障害者の対応は、多くは上記の3種類の方法を組み合わせて、何とか速く本文を見つけようとします。
何回も訪れていて慣れているサイトなら、10行ジャンプを5回行ってから3行後とか、リンクを30回辿って次のリンクでない文章のところから、などと覚えていて、そんな操作をするでしょう。
本誌的には、これは明らかにウェブサイト側のアクセシビリティに対する配慮がなく、落第のサイトといえます。
しかし、利用者でもあり、且つ音声ブラウザ「ボイスサーフィン」の開発者でもある私としては、これをそのままにしておくわけにはいきませんでした。
そこでボイスサーフィンに搭載された機能が
- 次の強調個所
- 前の強調個所
という見出しを対象にしないジャンプ・コマンドです。
これを実行すると、上の Yahoo!ニュースのサイトでも、数回の「次の強調個所」コマンド実行で本文が見つかります。
種明かししてしまえば、「強調個所」として以下のタグをリストしています。
b, i, u, strong, en
[ボイスサーフィンでの便利なジャンプ機能]
さて、このような考えから、「ボイスサーフィン」という音声ブラウザには、
HTMLタグを手がかりにした便利なジャンプ機能がたくさん搭載されています。
私がよく使うジャンプコマンドは、
- 次のテキスト入力へ
↑IDやパスワード、その他住所やカード番号などを入力する領域にジャンプします。
- 次のボタンへ
↑テキスト領域で記述したフォームの情報を送り込む「送信ボタン」などのボタンにジャンプします。
- 次のテーブルへ
↑テーブルタグのある位置にジャンプします。
- 次のリストへ
↑次の箇条書きリストタグのあるところへジャンブします。
- 残りの選択メニュー項目スキップ
↑都道府県の選択メニューなどのときに、私は東京都に住んでいるので、東京都を選択すると、後は聞きたくないですね。そんなときに実行します。
などです。
これらのジャンプ操作には、それぞれ前の項目に戻る操作も用意されています。
「残りの選択メニュー項目スキップ」の真反対の操作はありませんが、「前の選択項目へ」コマンドで、自分が選択した私なら「東京都」の位置にポンと戻ることができます。
このように、HTMLタグを手がかりにした「ボイスサーフィン」の各種のジャンプ・コマンドは大変重宝しています。
特に、 mixi はこれがなければやってられないっていう感じです。
「ボイスサーフィン」のコマンドについて具体的にお知りになりたい方は、下記をご覧ください。
http://www.amedia.co.jp/product/vs3/manual/mokuji.htm
[ウェブデザイナーと利用者の交流会]
11月4日(土)の午後1時から2時半まで、墨田産業会館9階の会議室4にて、表題の交流会を行ないます。
参加は無料です。
http://www.sight-world.com/exchange.htm
現在、デザイナーさん、視覚障害者の皆さん双方から質問を募集しています。
お互いの交流になる質問をお待ちしています。
当日、現場で採用された質問を前持ってくださった読者の方には、本誌100号記念プレゼントを差し上げます。
ウェブを制作している皆さんにとってはかなりの豪華プレゼントになります。
質問はこのメールへの返信でお願いします。
この交流会への参加は無料です。
なお、この交流会の場で、第1回アメディア・ウェブアクセシビリティ・アワード開催の発表を予定しています。
その「アワードってなに?」というあなた、是非この交流会にきてくださいね。
交流会参加は無料です。
[編集後記]
今週木曜日から土曜日までのサイトワールドには、アメディアスタッフ総出で取り組みます。
アメディアのブースはブース番号3ですが、私は主にブース番号36の日本盲人社会福祉施設協議会盲人用具部会のブースにいます。
私と名刺交換をしたい方は、積極的にお声かけくださいね。
私はあなたが見えないので、私から声をかけるのはちょっと難しいので。
■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです
ウェブアクセシビリティのコンサルティングや講演を承ります。
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発行理念
本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。
ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。
インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。
本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。
ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。
私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。
ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。
このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。
セミナー、講演の依頼は下記ページよりご遠慮なく
本誌では、
「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」
をしばしば引用させて頂いております。
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