検索の時代
検索の時代
ウェブアクセシビリティ入門 第96号
発行日 :2006年10月16日
■どんな方にも優しいウェブサイトを目指して■
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。
[検索の時代]
先日のある社員と私の会話です。
社員:社長、お客様に少し前に○○というスキャナの見積を出していたのですが、その注文がさっき入りました。
ただ、メーカーではこの機種はもう成算中止になっていて、もう在庫がないそうです。仕入代金が少し高くなってしまいますが、これよりも1ランク上位の機種を仕入れて売ってもよいでしょうか。
私:本当にないの?
どうしても在庫がないのなら上位機種を見積り額で売ってよいが、まずは本当にどこでも手に入れられないのかちゃんと調べてください。
そして・・・・・
この話を傍で聞いていた別の社員が1分も立たないうちに、「社長、○○に在庫があります」と言います。
そうなのです。在庫はかならずどこかにあるのです。
いや、もちろん、絶対にあるとは言い切れませんが、まずどこかにはあるのです。
しかも、それは、実はそのことはホームページ検索で調べられるのです。
聞いて見ると、在庫ありの店を教えてくれた社員は Yahoo で型番で検索したと言います。
私もついでに型番の後半一部と「在庫」という複合キーワードを Google に打ち込んで検索してみると、先の社員が見つけたのとはまた別のショップで在庫があることがすぐ判りました。
ホームページ検索でほとんどのことがすぐに判る時代です。
そのことを基盤と考えないと、ウェブアクセシビリティ理論も視野の狭いアクセシビリティ感に基づくものになってしまいます。
[ボイスサーフィンでのページ検索]
さて、アメディアで発売している視覚障害者用の音声ブラウザ「ボイスサーフィン」は、ホームページを検索するのに特別に便利にできています。
この方法においては、ほかの音声ブラウザやスクリーンリーダーでホームページを読んでいる視覚障害者には考えられないぐらい便利です。
簡単に紹介しましょう。
1.検索サイトに入らなくても検索ができる!
ボイスサーフィンでは、ファンクションキー3を押す度に
- Yahoo!
- MSN
- InfoSeek
と4つの検索エンジンサイト名がトグルで現れます。
例えば、 「Google」と聞こえたところでエンターキーを押すと検索文字列を入力する行が現れます。
ここに検索キーワードを入力してエンターキーを押すと、いつのまにか Google の検索結果の1ページ目が現れます。
つまり、 Google のサイトに入らなくても、検索キーワードを先に入力してエンターキーを押すだけで、かってに Google の中に入っていってくれるのです。
2.同じキーワードで検索サイトを切り替えて検索できる!
ボイスサーフィンは入力されたキーワードを覚えています。
先ほどの場合、キーワードは Googleの窓から打ち込まれたものではなく、まだ Google に入る前に入力されたものだからです。
ファンクションキー3を押してトグルさせて、「Yahoo!」と聞こえたところでエンターキーを押すと、先ほど入力したキーワードが出てきます。
このままエンターキーを押すと、今度は先ほどのキーワードで Yahoo! の中を検索し、その検索結果が表示されます。
3.絞込み検索をする際に、新しいキーワードを追加するだけでよい!
今度は、先ほどのキーワードにもう一つのキーワードを加えて、少し絞り込んで検索してみましょう。
ファンクションキー3のトグルで検索エンジンサイトを選んでエンターキーを押します。
先ほどのキーワードが表示されますので、行末にカーソルをあわせてスペースを一つ入れ、その後にもう一つのキーワードを入力してエンターキーを押します。
すると、たちまち2つのキーワードでの複合検索結果が表示されます。
4.検索結果の表示ページで、「検索結果」のところから読む!
Yahoo! でも Google でも MSN でも InfoSeek でも、検索結果の表示ページの先頭はナビゲーションメニューになっていて、どのページでも同じです。
このようなナビゲーションメニューは、音声で聞いている視覚障害者にとっては、いつも同じものが読み上げられるわけですから、わずらわしく、時間の無駄をさせられてしまいます。
ウェブアクセシビリティ・ノウハウとしては、ページの先頭にナビゲーションスキップのリンクがあればよいのですが、これらの検索エンジンの検索結果ページにはありません。
そこで、ボイスサーフィンでは、検索結果ページのナビゲーションメニューは自動的にスキップして読み上げるようにしています。
これは、 Version3.6 からの新機能です。
5.検索結果の2ページ目移向に移動したときも、先頭のナビゲーションをスキップできる
さて、検索結果の2ページ目、3ページ目に移動したときにはどうなるでしょうか。
ボイスサーフィンはページの先頭から読み上げます。
でも、このときでも、検索結果のところに一気に飛ぶ裏技があります。
「S」のキーを2回押すと、検索結果のところにポンとジャンプします。
これは、「次を検索」というコマンドです。
このように、ボイスサーフィンは、ホームページで何かを検索するのに実に便利にできています。
忙しい視覚障害者には、ぜひともお勧めです。
時間効率がグンと上がります。
■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです
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本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。
ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。
インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。
本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。
ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。
私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。
ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。
このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。
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本誌では、
「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」
をしばしば引用させて頂いております。
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