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ウェブユニット

ウェブユニット

ウェブアクセシビリティ入門 第74号

発行日 :2006年5月15日

  • ウェブ上の
  • 一つの単位は 1ページ
  • 新たな呼び名 ウェブユニット

皆さんこんにちは。ウェブアクセシビリティ・プランナーの望月優です。

実はゴールデンウイークの最終日、5月7日に、WCAG2.0 ラストコールドラフト研究会という、いわばウェブアクセシビリティをもっとも専門的に追求する研究会に参加してきました。

WCAG というのは (Web Content Accessibility Guidelines) のことです。

そして、このガイドラインを作成しているのが、 W3C (Worldwide Web Consortium)という組織です。

W3C はウェブ界のグローバルスタンダードを決めている組織、そして WCAG がウェブアクセシビリティに関するグローバルスタンダードだということです。

1999年5月に勧告となった WCAG1.0 に対して、現在、新しい WCAG2.0 がもう少しで勧告文書になろうとしています。

その「もう少しで勧告文書になろうとしている段階」が「ラストコールドラフト」の段階です。

ということで、私もこの研究会でとても良い勉強をさせて頂きました。

そこで、その研究会で学んできたことを、これから何号かにわたって少しずつ書きたいと思います。

 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。

[ウェブユニット]

この WCAG2.0 では、ウェブユニット(web unit)という耳慣れない言葉が使われています。

これは、シンプルな具体例を上げれば、ウェブの個別のページだということなのです。

つまり、一般的には「ウェブページ」と呼ばれるものです。

現在勧告になっている WCAG1.0 では、 W3C が勧告として示している技術群、例えば、 HTMLやXHTML、そしてCSSなどを念頭においていました。

しかし、WCAG2.0 では、W3Cが規定する技術以外にもウェブアクセシビリティの網を張り巡らそうとしています。

さらに、現存する技術に限らず、これから登場してくる技術に対しても、ウェブアクセシビリティの網をかけようとしています。

そこで出てきたのがこの言葉、「ウェブユニット」です。

いろいろな技術が登場してくる以上、「ページ」という単位でウェブサイト上の物事が解釈しうるかどうかわからないということですね。

「ユニット」というのは「単位」という意味。ですから、「ウェブユニット」は、ウェブ上での1単位」ということですね。

ウェブ上の1単位は、現在はほとんどのばあいウェブページですが、将来はどんなものが出てくるのやら、まったくわかりません。

わかりませんが、それに対しても「ウェブアクセシビリティ」の理念は実行されなければなりません。

そんなわけで、ウェブアクセシビリティのグローバルスタンダード文書である WCAG2.0 では、「ウェブユニット」という用語が用いられるようになったというお話でした。

[ボイスサーフィンの新バージョン]

本日、5月15日付けで、ボイスサーフィン Version3.50 をリリースしました。

http://www.amedia.co.jp/product/vs3/press200605.htm

上記のリリース文でもおわかりのように、今回のバージョンアップでは、 HTML タグを基点としたジャンプコマンドを思いっきり強化しました。

ソフトウェア内部では HTML を手がかりに動作し、利用者の皆さんには HTML を意識しないで使ってもらうための最大限の努力をしています。

この努力が実るためには、皆さんが WEB 標準に準拠した作り方をしてくれれば大変都合がよいなあということで、

「WEB標準対応の音声ブラウザ」

というキャッチフレーズを使わせて頂きました。

本誌の読者の皆さんは HTML をご存知なので、少し具体的に書きますと、

前後の段落に移動するコマンドがあります。これは、 p, pre のタグを対象にしています。

前後のリストへジャンプするコマンドは、 ul, ol, dl タグを探しています。

前後のブロックにジャンプするコマンドは、 div タグを狙って飛びます。

「前の強調個所」と「次の強調個所」というコマンドがありますが、これは、 strong, en, b, u, i の各タグを探して飛びます。

そのほか、前後の見出しにジャンプするコマンドは、ボイスサーフィンVersion3.0を発売した2004年11月の時点からありました。

また、内部リンクのとび先にジャンプする「前の内部リンク先へ」と「次の内部リンク先へ」というコマンドも、 3.0 の時点からありました。

「前のリンクのない文へ」と「次のリンクのない文へ」というコマンドも、 3.0 時点からありました。この「リンクのない文」の判断は、ちょっと私では説明できないぐらい複雑な判断をしています。

そして、ここまでやってもまだ読みにくいページがあるので、ユーザーが自分で任意の位置にマークをつけられるようにしました。

「前のマーク」と「次のマーク」へのジャンプコマンドで、自分のつけたマークを基点にポンポンと移動することができます。

なお、入力フォーム要素に対する各種のジャンプ機能は、2005年8月の Version3.1 へのアップのときに採用しました。

ボイスサーフィンの使い方についての詳細は↓

http://www.amedia.co.jp/product/vs3/manual/mokuji.htm

ボイスサーフィンに関する各種の雑感は、ボイスサーフィンブログ↓

http://voicesurfing.livedoor.biz/

ボイスサーフィンをアフィリエイトしてくださる方は↓

http://www.amedia.co.jp/store/infocart.htm

へどうぞ。

[編集後記]

今日土曜日は雨がしとしと降っています。

明日は静岡盲学校の同窓会に出かけてきます。

なので、土曜日にこのメルマガを書きました。

■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです

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本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

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