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視覚障害者と文字入力

視覚障害者と文字入力

ウェブアクセシビリティ入門 第70号

発行日 :2006年4月17日

  • 見えねども
  • すらすら流れる 指さばき
  • これこそ真の ブラインドタッチ

皆さんこんにちは。ウェブアクセシビリティ・プランナーの望月優です。

いよいよウェブアクセシビリティセミナーが4月29日に迫ってきたので、現在その準備に奔走中です。

すでに受講証が届いている皆さん、どうぞお気軽にご質問などくださいね。

ウェブアクセシビリティセミナー

バリアフリーサイト作りの基本と実践

 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。

視覚障害者と文字入力

視覚障害者と音声入力

「視覚障害の方は音声で入力しているのですか?」

こんな質問をしばしば受けます。

しかし、実際は、ほとんどの視覚障害者はキーボードをたたいて入力しています。

もちろん、もしかすると、少しは音声入力を使っている方もいるのかもしれません。ただ、私の知る範囲では、音声入力を文字入力の主にしている視覚障害者はいません。

音声入力もかなり精度が上がってきているので、いずれは音声入力を積極的に利用する視覚障害者も出てくる時期があるだろうと思います。

現時点で、音声入力が利用されないのには、以下のような理由が挙げられます。

1.視覚障害だけの人は、指は器用なので、練習すれば必ずキーが打てるようになる。

2.音声入力した後に文字を修正するときに、やはりキーを操作しなくてはならない。それならば、最初からキーで打ち込んだ方が楽。

3.視覚障害者は音声出力を聞きながらパソコンを操作する。音声出力を聞きながら音声入力を行うという作業がスムーズにできるようなイメージが湧かない。

こんなところでしょうか。

点字入力とフルキー入力

視覚障害者の中には、キーボード上の特定のキーを点字タイプライターのキーに見立てて、点字タイプライターのように入力する人が少なくありません。

この入力方式を、「点字入力方式」と呼びます。

これを実現しているのは、点字入力用のドライバ・ソフトウェアです。

点字入力ドライバ・ソフトは、 PC-Talker や 95Reader などのスクリーンリーダーに付属しています。

ただ、これは、キーボードが複数のキーの同時押し下げを感知する仕組みになっていなければ実現できません。

そこで、点字入力方式で入力する視覚障害者は、パソコンを購入するときに、そのパソコンで点字入力ができるのかどうかを確かめます。

その確かめ方としては、

f,d,s,j,k,l

の6個のキーを同時に押して、この6個の文字が全て表示されるかどうかで判断します。

上記の6個のキーが、点字タイプライターのキーの代替として点字入力ドライバ・ソフトによって利用されるからです。

このように、点字入力を行う視覚障害者にとっては、パソコン選びも一般の方とは異なる視点で慎重にならなければいけないという事情があります。

ただ、点字入力を行う人達の中には、6点漢字や漢点字の方式で、漢字コードを直接入力する人もおり、漢字変換を使わずに、あるいは必要なときにだけ変換を使うので、入力がとても速くなります。

点字入力方式ではなく、普通の入力方式で入力する場合、視覚障害者の世界ではこれを「フルキー方式」と呼びます。

ローマ字入力とカナ入力

さて、本誌をお読みの皆さんのほとんどがローマ字入力で日本語の文章を書いておられるのではないかと推察します。

実は、私はカナ入力なのです。

もちろん、英語を書くときには当然アルファベットで入力するのですが、日本語はカナ入力でないと、どうもすらすらとは打てないのです。

私と同じように、ローマ字入力よりもカナ入力を好む視覚障害者が一定程度います。

それは、1970年代から1980年代前半にかけて、視覚障害者にカナタイプライターの訓練を盛んに行っていたからです。

実は、私も中学生の頃、静岡盲学校で授業外でカナタイプライターの訓練を受けました。

それ以後、カナタイプライターで日記をつけたりなどしつづけ、大学生の頃も、カナタイプライターでカタカナだけのレポートで勘弁していただいたこともあります。

私と同じようなバックグラウンドを持つ視覚障害者は少なくありません。

パソコンが普及して、パソコンを用いて漢字かな混じり文が書けるようになる前までは、カナタイプライターが視覚障害者の最新の情報機器だったわけです。

キータイプトレーニングソフト「スパルタイプ」

私は、中学の時にカナタイプライターの訓練を受けましたが、高校に入ってから、英文タイプライターの訓練を受けました。

指使いは同じなので、すぐに覚えることができましたが、やはり、今でも日本語はカナで打つ習慣になっています。

そんな私が中学生の頃や高校生の頃の訓練を思い出しながら作ったキータイプトレーニングソフトが「スパルタイプ」です。

そんなわけで、上のソフトはローマ字入力の練習にはやや役不足の面がありますが、カナ入力の訓練問題は大変充実しています。

音声フィードバックがあり、目をつむっていても練習できますので、もしよろしければどうぞ。

ウェブアクセシビリティセミナーのお知らせ

バリアフリーサイト作りの基本と実践

いよいよ近づいて参りました。

今回は、「バリアフリーサイト作りの基本と実践」というタイトルで、ウェブアクセシビリティの基本と効率的な実践方法を学びます。

このセミナーは、訪問者→閲覧者をお客様と捉え、そのお客様にとって判り易い、読み易いサイト作りをウェブアクセシビリティの観点から具体的にお話します。

ですから、公共分野、ビジネス分野共通のエッセンスを得ることができます。

ウェブ制作会社に就職した新人の皆さん、そして職場のウェブ管理部門に配置になった新任の皆さんにとっては、このセミナーが一番手っ取り早くウェブアクセシビリティを習得できる場です。

なお、実践講座では、ウェブデザイナーさんのみならず、ウェブに上げる文書を書く立場の方にも大いに参考になるお話をします。

自営業や中小企業の経営者の皆さんにも必見です。

日時:4月29日(土)14時~19時

場所:中野サンプラザ8階研修室1

http://www.amedia.co.jp/melmaga/webaccess/seminar3.htm

編集後記

実は、私はこのメルマガは MS-DOS のエディタで書いています。

Windows95 が発売になってからもう10年以上も経過しているのに、未だに MS-DOS なんです。

私が利用しているエディタは VEGA というもので、1990年代にはアメディアで3万円で販売していたものです。

もちろん、今はもう販売していません。

ただ、一応、エディタで文書を書くとき以外はすべて Windows 環境のソフトウェアを利用するようになりました。

どうしても手馴れたエディタから離れられない私の保守的な一面でした。

■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです

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本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

発行人、望月優のプロフィール

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