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三鷹市の取組み事例から

三鷹市の取組み事例から

ウェブアクセシビリティ入門 第66号

発行日 :2006年3月20日

  • 障「害」者
  • この字に責任 あるのかな
  • 見つめなおそう あなたの心

皆さんこんにちは。ウェブアクセシビリティ・プランナーの望月優です。

先日、Webアクセシビリティとクリエイティビティを考えるフォーラム「アックゼロヨン」の実行委員の方からご連絡を頂きました。

今年の夏に、アクセシビリティがよくクリエィティビティにも優れたサイトを表彰する企画を行うそうです。

4月から募集をかけるとのこと、どうぞ、皆さん、準備を整えてください。

http://www.acc04.jp/

 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。

三鷹市の取組み事例から

 3月9日の総務省主催のウェブアクセシビリティセミナーからのトピックの2回目です。

 さて、東京でのセミナーでは、好事例として、東京都三鷹市の取組みが紹介されました。

三鷹市

 上は、三鷹市ホームページのURLですが、なんと、三鷹市はホームページを見るお客様別に3つのトップページを用意しているんですね。

市民向け(三鷹市に住んでいる方向け)

訪問者向け(三鷹市に旅行にきたり移転を考えている方向け)

事業者向け(三鷹市でビジネスを展開している方向け)

斬新ですね。

この三鷹市がウェブアクセシビリティに関しても組織的に取り組んでいます。

三鷹市は、2002年の5月にプロジェクト方式によるサイトリニューアルの方針を決定し、そこから取り組みが始まります。

庁内でプロジェクトメンバーを公募し、業者コンペを行って良い業者を選定し、プロジェクトメンバーとその業者とが一緒になってプロジェクトの中間報告を出し、同年12月に新しいサイトの方針を決定しました。

2003年1月から5月にかけて全課を対象とした職員研修を行い、7月にリニューアルしました。

全ての課を対象としたのは、CMS導入により、記事自体はそれぞれの職員が直接書くことができるようにしたからです。

しかも、一度の記事出向で広報誌の原稿を兼ねてホームページ内容にもなる仕組みを採用しています。

職員はHTMLを意識することなく文章を書くことができます。

画像を差し込むこともできますが、その画像に説明がないと「画像に説明を付けてください」といったような警告メッセージが出て、登録できないようになっています。

この辺り、業務効率とウェブアクセシビリティの両方を考えて、専門的な知識がなくても自動的にアクセシブルになるように、よく工夫されています。

アクセシビリティに関連する項目では、画像に対する alt テキストの有無のほかに、色の選択と機種依存文字が使われていないかどうかについてのチェックがシステムによって行われるそうです。

お話してくださった三鷹市秘書広報課の今野さんによれば、システムである程度チェックしていても、最終的には職員に対する周知が必要だということです。

  • 分かりやすい言葉で書かれているか。
  • 単語内の空白はないか。
  • alt 属性は画像の内容を過不足なく説明しているか。
  • PDF や画像を多用していないか。

このような問題は、システムだけでは解決できず、職員の心遣いにかかっているとおっしゃっていました。

それから、一つ、「多少詳しい職員にはやりすぎを自制させる必要あり」という言葉も印象に残りました。

また、一つ印象に残ったのは、リニューアルの段階で利用者テストを行ったのですが、そのときに「障がい」という風に、「害」の字をひらがなにすると、「さわりがい」と音声ソフトが読むことに気付いたというのです。

実際、PC-Talker では「さわりがい」と読みますね。ボイスサーフインはちゃんと「しょーがい」と読みますが、アクセントがちょっと不自然になります。

ところで、この「障がい」という書き方、私、音声ソフトがうまく読むのか否かに関わらず、好きではありません。

何か、自分が「触らぬ神に祟なし」の「触らぬ神」扱いにされたような気持ちになります。

「障害」には否定的な意味はありません。否定的に感じるのは、あなたが否定的に捉えているからです。

ウェブアクセシビリティセミナーのお知らせ

バリアフリーサイト作りの基本と実践

アメディア主催の第3回ウェブアクセシビリティセミナーを4月29日の土曜日の午後、中野サンプラザで行います。

http://www.amedia.co.jp/melmaga/webaccess/seminar3.htm

今回は、「バリアフリーサイト作りの基本と実践」というタイトルで、ウェブアクセシビリティの基本と効率的な実践方法を学びます。

ウェブアクセシビリティの基本は、なるべく多くの人にアクセスしていただくように作ることです。

そのためには、シンプルであることとプライオリティの高い配慮点に集注することが大切です。

手の込んだことをすればするほど、アクセシビリティは落ちていきます。

このセミナーは、訪問者→閲覧者をお客様と捉え、そのお客様にとって判り易い、読み易いサイト作りをウェブアクセシビリティの観点から具体的にお話します。

ですから、公共分野、ビジネス分野共通のエッセンスを得ることができると確信しています。

編集後記

ウェブアクセシビリティとは関係ないのですが、三鷹市のサイトではバナー広告を募集していますね。

これにえらく感心しました。

公共団体というと、どうしても「ビジネス」とか「宣伝」といったようなことを避けがちになっていると思います。

でも、こういうところで広告収入を稼いで福祉の増進に当てるとか住民税をその分安くするといったような政策は、市民にとっても歓迎すべきなのではないでしょうか。

役所の担当者と特定業者が裏で結びついているのはいただけませんが、ホームページ上の広告なら市に対して広告費としてお金を出していることを堂々と宣言していることになるのですから、変な人脈による企業と政治家とのつながり、企業と役人とのつながりに比べればはるかに情報公開された健全な関係だと思います。

■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです

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本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

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