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聴覚障害者ニーズと視覚障害者ニーズとの葛藤

聴覚障害者ニーズと視覚障害者ニーズとの葛藤

ウェブアクセシビリティ入門 第47号

発行日 :2005年11月7日

  • 聴こえねば
  • 色や画像が ウェブサイト
  • 見えぬ者との 調和はどこに?

皆さんこんにちは。ウェブアクセシビリティ・プランナーの望月優です。

ボイスサーフィンがいよいよ近くPDF対応になります。

しかも、アメディアで以前から販売している印刷物読み上げソフトの「ヨメール」や「よみ姫」との組み合わせで、テキスト抽出禁止のPDFや単に印刷物をスキャンして取った画像をPDFにしたものでも読めるようになります。

これについて、11月9日に報道機関向けの発表会を行います。

http://www.amedia.co.jp/product/vs3/press20051102.htm

このことを取材頂ける方、どうぞおこしください。

ということで、報道発表前なので、詳しい話は次号以降にさせて頂きます。

 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも優しいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。

本日のメインテーマ:聴覚障害者ニーズと視覚障害者ニーズとの葛藤

難聴の社長さんからの控えめな要望

このほど業務提携しましたかがやきパソコンスクールという聴覚障害の生徒さんを多く受け入れているパソコン教室の経営者、益田さんから、ウェブアクセシビリティについて次のような感想を頂きました。


Webアクセシビリティは視覚障害者の方に向けてのものが主にその感心を集めておりますが、聴覚障害者向けと言った場合はそれらにちょっと相反する内容になってしまいそうです。

聴覚障害者の方に喜ばれるものとしては、主に動きのある映像です。

特にそれが手話で表現されていた場合には、同じものを何度でも見に行くようです。

また、難聴や中途失聴の方には、字幕も喜ばれます。

実は私のブログにも、字幕こそついていますが、無音声の手話映像を掲載しています。

http://kagayaki.blog13.fc2.com/

また、早い時期に聴力を失った方には、漢字の読み書きの苦手な方が多いことから、本当はすべての漢字にルビを振ると喜ばれたりもします。

そうすると、読み上げソフトなどを使った場合には、同じ文章を2度聞かされることになるのではと、私なりに心配しております。

私どものお客様でも、ホームページ作成の勉強をしはじめると、とにかく動きを出したくて仕方がなくなってくるようです。

アニメーションGIFを作成したり、自分で撮影した写真のアルバムやビデオ映像をWebページに載せたりといったことは、やりたくて仕方がないものの代表になっています。

見た目にきれいな色、動きのある映像、漢字にはよみがなをつける。

この3点が、聴覚障害者に好まれるスタイルのように感じています。

ちなみにテキストばかりのページは、つまらないと言って敬遠する傾向にあります。

もちろんJISの中でも触れられているように、いきなり音が出るようなページも、自分では気づかないので周囲に迷惑をかけてしまうことはありますが、本人が気づいていないので当事者がさほど問題に思うことは無いようです。

こうした状況ですから、せっかく視覚障害者の方にも使いやすいWeb作りを目指して勉強されている方々に対して申し上げるのは如何なものかと存じております。

その点が正直に申し上げて、かなり悩ましいところなのです。


思いやりのある方ですね。

今回、益田さんから頂いたメールは、現場からの大切な要素に満ち溢れていたので、ほとんど全文引用させて頂きました。

このように、聴覚障害者と視覚障害者とは、その障害の特性から文化が異なります。

でも、益田さんの指摘を読ませていただくと、耳が聞こえて目も見える皆さんの中には、ルビの点以外は同じだよ、とおっしゃる方も少なくないのではと想像します。

「見た目にきれいな色、動きのある映像、漢字にはよみがなをつける。」

という3点が聴覚障害者にとってのユーザビリティのポイントのようなので、次号では、この3点と視覚障害者への配慮の融合について掘り下げて見たいと思います。

聴覚障害者企業とのコラボレート

11月1日付けで、先ほどの感想をくださった益田さんが経営する

かがやきパソコンスクール

と私の会社、

アメディア

との間で、業務提携を行いました。

かがやきパソコンスクールさんは聴覚障害者にとっての情報の最適化を追求する会社、私のアメディアは視覚障害者にとっての情報の最適化を追求する会社です。

このように、真反対の特性を持つ障害者のことを配慮しあうことによって、哲学の胃気を脱した、真のユニバーサルデザインへのステップを踏み出すことができそうだと期待しています。

ちなみに、かがやきパソコンスクールさんは、この業務提携について、ホームページでプレス発表をしています。

http://kagayaki.jpn.ph/web/news/051101.html

また、実は、11月1日というのは、日本点字制定記念日なんです。

115年前のこの日、1890年(明治23年)11月1日に、日本語の点字の規則が正式に決定されました。

そのあたりの視覚障害者の文化に興味のある方は、

盲人の歴史

でどうぞ。

編集後記

アメディアでは、年に1回、「アメディアフェア」という視覚障害者と情報文化を考えるイベントを行っています。

今年は12月23日の金曜日、実は、この日にしたのは、ニッポン放送が毎年行っているデジタル・チャリティーミュージックソンとのコラボをもくろんでいるからです。

現在、計画を進めている真っ最中です。

http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/16.html

その中で、中野駅から会場まで視覚障害者をガイドしてくださるガイドボランティアを務めてくださる方を募集しています。

9時半から簡単なガイド講習会、そして一応の拘束時間は16時までです。

ただ、もちろん、途中、お昼休みの時間は確保します。お弁当も用意します。

「やってもいいよ」という方、「ガイドボランティアOK」という題名でこのメールに返信いただければ幸いです。

ガイドの予習ができるページ

http://www.amedia.co.jp/talkto/talkto.htm

■ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです

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本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことがあるかも知れません。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

発行人、望月優のプロフィール

セミナー、講演の依頼は下記ページよりご遠慮なく

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本誌では、
「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」
をしばしば引用させて頂いております。
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