ウェブアクセシビリティ入門 第27号 内部フレーム物語
------------------------------------------------------------
見えるけど
読み上げさせないテクニック
ちょっと便利な内部フレーム
------------------------------------------------------------
皆さんこんにちは。望月優です。
目の見えない私がホームページを読むとき、見える皆さんとは全く違う文化があります。
本日は、その文化の違いを取り持つ小技を一つ紹介します。
■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントをお届けしています。
------------------------------------------------------------
目次
------------------------------------------------------------
- 本日のメインテーマ:内部フレーム物語
- ウェブアクセシビリティセミナー「音声ブラウザ対応エッセンス」
- 編集後記
- 発行理念
- アメディア発行のメルマガ紹介
----------------------------------------
本日のメインテーマ:内部フレーム物語
目の見えない人はホームページを音声で聞く
視覚障害者は、音声ブラウザと呼ばれる種類の読み上げソフトで、ホームページを合成音で聞いています。
音声で聞いているということは、そのページ全体の雰囲気をぱっと見で理解することはできません。
しばらく聞いているうちに、そのページの雰囲気が掴め、全て聞き終わった時点で、そのページの全体像が明確に掴めます。
慣れている視覚障害者は、内容に興味のある部分はそのまま聞き、興味のない部分、例えば、ナビゲーション用のリンクメニューなどは読み飛ばそうとします。
読み飛ばして、次の興味のある個所を探す方法としては、
- カーソルキーを連打して、項目の先頭のみをちょこっと聞いて、どんどん下に進んでいく。
- 次のリンク項目へジャンプするコマンドで、進んでいく。
- 10行ジャンプやブロックスキップなどの、一定の距離分スキップするコマンドを使う。
- 次の見出しへジャンプするコマンドを用いる。
- ページ内で文字列検索を行う。
などがあります。
下にいくほどエレガントな方法ですが、ホームページの作り方や音声ブラウザの種類によっては、使えない方法も出てきます。
本題以外はちょっとスキップ
さて、視覚障害の読み手がどの部分を読みたいのかなんて判らないと思いますよね。
でも、法則があるのです。
読みたいのは、そのページの本題なのです。
だから、広告やほかのページに行くためのリンクメニューは、「よし聞こう」と思ったとき以外は聞きたくないんです。
でも、特に広告は見せたいですよね。見せなければ広告になりませんよね。
見せるけど読ませない、そんな裏技があるのです。
内部フレーム
アメディアのトップページをご覧ください。
http://www.amedia.co.jp/
左側に見える
「アメディア新着情報!」
と
「サイトメニュー」
のブロックは、 IFRAME タグによる内部フレームです。
このページを、
------------------------------------------------------------
ようこそ!視覚障害者向け音声パソコンのアメディアへ!
内部フレームの中に、サイト全体のメニューがあります。(これはalt テキストを発声)
..
テクノロジーは障害の軽減のために!
アメディアは視覚障害者の情報バリアにテクノロジーで挑戦しています。
..
新着情報!・内部フレーム
サイトメニュー・内部フレーム
自立支援
視覚障害者のことに感心をお寄せいただき、ありがとうございます。
今あなたがご覧のこのホームページ、目の見えない方も読んでいます。
- ・・・・
----------------------------------------
と読み上げて行き、内部フレームの中身は読み上げません。
内部フレームの中身を聞きたいときは、そこにカーソルを置いてエンターキーを押します。すると、内部フレームで指定されたhtmlページが読み込まれ、それを読み上げます。
内部フレームの中身からページ本体に戻りたいときは、ブラウザの戻る操作、ボイスサーフィンの場合には Page-Up キーで元に戻ります。
内部フレームの読み上げ状態ですが、
実は、IBMの
ですので、ボイスサーフィンやホームページリーダーといった音声ブラウザを使っているときと、スクリーンリーダー+IEで読んでいるときとでは、読み上げの内容や順序が全く変わってきてしまうのです。
よって、スクリーンリーダー派の視覚障害者には、この魔法は利きません。
その辺りのところ、詳しくお知りになりたい方は、私が講師役の下記セミナーに是非どうぞ。
ウェブアクセシビリティセミナー「音声ブラウザ対応エッセンス」
このセミナーでは、ユーザー感覚を大切にします。
WEBJISに取り上げられている項目の中から音声ブラウザ関連のものを抽出し、それらに順位付けして、重要度の高いものからしっかりと説明致します。
重要度の高い順とは、ユーザーの利用感を高めるのに効果のある順です。
チェッカーでの評価がいくら良くても、重要度の高い項目に不備があると利用感はだいなしです。
このセミナーで、どんなページでも音声ブラウザ利用者に対してユーザー感覚90点以上のページを作る自信がつきます。
アフターサービスでは、セミナーの時間中に取り上げられなかった個別のご相談にお答えします。
2時間のセミナーとアフターサービスで、「ウェブアクセシビリティはお任せください」と胸を張って言えるレベルに皆さんをコーディネートします。
7月15日18時半、中野サンプラザでお待ちしています。
------------------------------------------------------------
なお、このときのセミナーの様子は、
としてまとめてあります。
------------------------------------------------------------
編集後記
先週、NHKのサイトがアクセシビリティに配慮されていないことについて述べると宣言してしまいましたので、ほんの少しだけ。
50音順に並んだ番組名から、その紹介ページに誘導するのに、なぜかわざわざ JavaScript でselectタグのOnChange イベントが使われています。
普通のリンクメニューにしても全く問題ないはずです。
あるいは、本日のテーマの内部フレームを使うという手もあります。
何をやっているのでしょうね。テクニックを見せたかったのでしょうか?
確かにソースコードは「かっこいい?」ですけどね。
このイベントはIEではマウスでしかクリックできず、マウスに代わる代替操作方法がありません。
ですから、スクリーンリーダーとIEで読んでいる視覚障害者は全くお手上げです。
ただ、さすがIBM、ホームページリーダーはこれにエンターキーの押し下げでもできるように対応していました。
アメディアのボイスサーフィンも、つい2週間前のアップデートで対応しました。
本誌では、
「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」
をしばしば引用させて頂いております。
発行理念
本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。
ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。
インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。
本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。
ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。
私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことはあるかと思います。それに気がついたときには速やかに訂正致します。
ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。
このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。
アメディア発行のメルマガ紹介
アメディア及び望月優は、本誌のほかに、以下のメルマガを発行しています。
毎週木曜日に、障害当事者の心のこもったコラムや1週間の福祉ニュースのソースを届けしています。
関連ブログ&サイト
-
-
-
-
------------------------------------------------------------
毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。
------------------------------------------------------------
企業家としての望月優が、インターネットのビジネスへの応用やビジネスマインド、生きがいのある人生の送り方などについてコンパクトに語ります。
奥付
発行日 :2005年6月20日
〒169-0051
電話番号 :03-5286-7511
FAX番号 :03-5286-2567
本誌定期配信
「ウェブアクセシビリティ入門」に登録
メールアドレス:
ウェブアクセシビリティ教材
-
-
-
-
ウェブアクセシビリティ関連リンク集
-
-
-
-
コメントはありません