[スポンサードリンク]
トップページ » 2007年01月

ウェブアクセシビリティ入門 第24号 -WEBアクセシビリティシンポジウム報告-


■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■


ウェブアクセシビリティ入門 第24号 -WEBアクセシビリティシンポジウム報告-


 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届けしています。

目次

  • 前号のポイント
  • リンクの説明は前か後か?
  • 入力すべき文字種の判断
  • PDF論争
  • 高齢者の先輩方の声から
  • アメディア主催:ウェブアクセシビリティセミナーのお知らせ

 皆さんこんにちは。発行人の望月優です。

 5月25日に中野サンプラザで行われたシンポジウムは満席で大盛況でした。

 私もそのシンポでバネリストのお役目を頂いておりました。

 そして、パネルディスカッション司会者の梅垣さんから本誌で回答を書かなければならない宿題も頂きましたので、それを含め、このシンポで私が学んだことを今回は報告します。

前号のポイント

 前号では、「こっそりできるアクセシビリティ秘策」と題して、実は堂々と行うべきもっともベースとなる基本ノウハウを紹介しました。

 堂々と行って良いのになぜ「こっそりできる秘策」なのかはバックナンバーをご覧ください。

リンクの説明は前か後か?

 さて、シンポジウムは非常に盛りだくさんで、とてもじゃありませんが全てを網羅的にレポートすることはできませんので、本当に私の心に特に大きく響いていることと宿題の回答だけを今回は書きます。

 シンポジウムの全貌に関しては、

http://www.harmony-web.org/symposium525/

をご覧ください。

 それでは、まず一つ目の宿題です。

 全盲男性のパネリストから、リンク先の説明がリンク文字列やリンク画像のaltでの説明の前にあったり後にあったりするけれども、これは統一して欲しいという問題提起がありました。

 これはウェブアクセシビリティという観点でなくてもその通りですね。

 一つのページの中では、明らかに統一しておくべきでしょうね。

入力すべき文字種の判断

 二つ目の宿題です。

 入力フォームで、例えば、郵便番号やメールアドレスは一般に半角で書きますよね。振り仮名はどうでしょうか。全角のひらがなですか、それとも全角のカタカナ、あるいは半角カタカナかしら・・・?

 そのような入力文字種の指示がテキストを入力するボックスの後にあることがほとんどなので、これはうれしくないという全盲女性からの声がありました。

 彼女のいう通りです。

 私はもう大分慣れているので、それらの文字種の支持派あまり聞かずにどんどん入力してしまうのですが、たくさんの入力項目を書き込んで「送信ボタン」をボンと押したとき、結構しばしばエラーになってしまいます。

 エラー個所を特定してくれる方式なら良いのですが、ときおり、それを特定せずに、ただエラーとだけ伝えてくるひどいCGIがありますね。

 そんなとき、私は「どこか文字種が間違っているのかな」と疑って探しまくります。

 そんなことですから、本当に彼女のいう通り、ごもっともです。

 しばしば、入力フォームに入る前に、入力全般に関する注意事項が書かれている場合があります。これはとても良いですね。基本ルールを理解した上で入力作業に入れますから。

 それから、入力の直前で全角か半角かを音声でしゃべるようにすることももちろんOKです。

 例えば、以下は、マグマグのメルマガ登録ページの入力フォームですが、

----------------------------------------

<form action="http://regist.mag2.com/reader/Magrdadd" method="post">

<input type="hidden" name="MfcISAPICommand" value="MagRdAdd"><font size="-1">メールアドレス:</font>

<input type="text" name="rdemail" size="24">

<input type="hidden" name="reg" value="magindex">

<input type="hidden" name="magid" value="0000088709">

<input type="submit" value="登録">

</form>

----------------------------------------

ですが、例えば、一番最初の

input type

の行の

<font size="-1">メールアドレス:</font>

<font size="-1">メールアドレス(半角):</font>

とすれば、入力の前に半角で入力するんだなということが判ります(この場合はメールアドレスなので、その必要はないと思いますが、一応例として受け取ってくださいね)。

PDF論争

 最初のリンクの説明についての問題提起をされた盲人パネリストの方が、もう一つの課題を与えてくれました。

 それは、PDFに困っているということなのです。

 実は、このテーマは奥が深いです。というのは、端的に言えば、PDFは一応音声環境の利用者でも読めると言ってよいのですが、アクセシブルとは言い切れないからです。

 この発言をした彼は、PDFファイルは読めていないようです。

 さて、この状況をどう捉えるかは、立場によって異なります。

 以下は、それぞれの立場の方への私からのアドバイスです。

----------------------------------------

1. 視覚障害者の立場

 現状で読める仕組みを学びましょう。

2. パソコンボランティアなどのサポーターの立場

 サポートしている視覚障害者の環境を、PDFも読みやすいように整えましょう。

3. PDFファイルを作成する立場

 アクセシビリティ機能をONにするとともに、不必要な制限は極力避けましょう。

 テキスト取り出しができるように、画像をスキャンしたものをPDFにするのはできる限り止めましょう。

 音声読み上げの際に順番どおりに読み上げられるよう、テキスト抽出の際の順番を設定しましょう。または、シンプルなレイアウトにしましょう。

4. ブラウザ開発者の立場

 もっとPDFにアクセスし易い、そして読み易い仕組みを考えて実装しましょう(これは私の立場なので、頑張ります!)。

5. ウェブデザイナーの立場

 PDFの代替となるページを用意しましょう(NECデザインの佐藤さんのお言葉)。

----------------------------------------

 本誌では、やはり5.の立場が基本ですね。

 PDFは読めるといっても、実際は順番がばらばらになっていて読みにくかったり、制限がかけられているためあるいは画像をスキャンしたままのPDFのために読めないというケースが大変多いのです。

 私自身は一応読める環境を持っておりますが、読めないときには目の見える社員にそのPDFファイルをメールして、テキスト抽出を頼みます。

 私の利用している環境では、PDFファイルが読めないとき、なぜ読めないのかという理由が判りません。

 私にはその理由を追求しているような時間はありません。

 即社員に依頼。テキスト抽出ができなければ印刷してもらい、スキャンしてテキスト化を試みるのですが、印刷に制限がかけられていれば、それもできません。

 どうです?これでアクセシブルと言えますか?

 やはり、PDFファイルがダウンロードできるだけで、その代替が用意されていないページは、ウェブアクセシビリティに対応しているとは言えませんね。

高齢者の先輩方の声から

 さて、第2部は高齢者のパネルディスカッション、私の心にズシンと響いたパネリスト達の直言に短くコメントしますね。

1. 目が疲れるので、あまり長くは見ません。

 コメント:内容の長いページはダメですね。仮に長くても、最初から本題を書いた方がよいのではないでしょうか。

 とすると、大分以前に本誌で紹介した尻ナビ方式、つまり、ナビゲーションメニューを後ろに持っていく方式も案外良いのではないでしょうか。

 ちなみに、アメディアはトップページ以外は基本的に尻ナビ方式です。

2. 年月日を入力するとき、ほとんど西暦での入力が求められますが、年号での入力もできるようにして欲しい。

 コメント:これは私も気付いていませんでした。具体的にどのようにするのが良いのか、考えて見ます。

3. 都道府県の入力の際、いつも47個の選択肢から選ばなければならないのは大変わずらわしい。

 コメント:これは音声ブラウザ利用者も同じです。

 メニュー選択の手前に入力ボックスを用意して、テキスト入力とメニューからの選択のどちらからでもできるようにするのが良いと思います。

(ミス入力のチェックはCGIで行ってくださいね。)

ウェブアクセシビリティセミナーのお知らせ

 アメディアでは、ウェブアクセシビリティセミナー「音声ブラウザ対応エッセンス」を7月15日(金)の18時半より、中野サンプラザで行います。

 実際にウェブアクセシビリティ対応にする際、何をもっとも優先すべきかを明確且つ具体的にご指導致します。

 どこから手をつけてよいのか悩んでいる方、是非おこしください。

 2時間のセミナーとアフターサービスで、「ウェブアクセシビリティはお任せください」と胸を張って言えるレベルに皆さんをコーディネートします。

 お問い合わせ・お申し込みは、以下のページからどうぞ。

http://www.amedia.co.jp/melmaga/webaccess/seminar.html

発行理念

本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことはあるかと思います。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

アメディア発行のメルマガ紹介

アメディアでは、本誌のほかに、以下の2つのメルマガを発行しています。

週刊福祉情報(まぐまぐ殿堂)

毎週木曜日に、障害当事者のコラムや1週間の福祉ニュースのソースを届けしています。

福祉関連トピックのプログを募集しています。

まぐまぐ登録ページ

視覚障害者の情報文化を紹介する「アメディアレポート」

毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。

アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。

まぐまぐバックナンバー


発行日 :2005年5月30日

発行人 :望月優(モチヅキ ユウ)

発行元 :株式会社アメディア

〒169-0051

東京都新宿区西早稲田2-15-10西早稲田関口ビル3F

電話番号 :03-5286-7511

FAX番号 :03-5286-2567

アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイドライン (参考にしてくださいね)

音声読み上げブラウザ「ボイスサーフィン」のページ (お試しで利用してくださいね)

ボイスサーフィンブログ (アップデートな話題で満載)

本誌定期配信

「ウェブアクセシビリティ入門」に登録

メールアドレス:

ウェブアクセシビリティ教材

ウェブアクセシビリティ関連リンク集

by amedia  at 14:35  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

ウェブアクセシビリティ入門 第23号 -こっそりできるアクセシビリティ秘策-


■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■


ウェブアクセシビリティ入門 第23号 -こっそりできるアクセシビリティ秘策-


 このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届けしています。

目次

  • 前号のポイント
  • 見出しタグ
  • ALT テキスト
  • 本日のまとめ
  • 編集後記

 皆さんこんにちは。発行人の望月優です。

 今回は、サイト・オーナーには何も言わなくてもできる、音声ブラウザ利用者へのウェブアクセシビリティをグンと飛躍させる秘策をお知らせします。

 今回のノウハウは、運営者を説得する必要はありません。

 あなたがウェブデザイナーなら、あなたの基本ノウハウの一つとして当然のごとく織り込んでください。

前号のポイント

 前号では、5月9日に行われた情報アクセシビリティ国際標準化セミナー2005でのW3Cからの講師2人のお話を要約しました。

 詳しくはバックナンバーをご覧ください。

見出しタグ

 第1に抑えるべき肝は、ページの基点となる部分に見出しタグを用いることです。

 HTMLでは、見出しタグとして、 h1, h2, h3, h4, h5, h6 の6つの階層を表現するタグを用意しています。

 このタグは、書籍で言えば

第1編 = h1

第1章 = h2

第1節 = h3

といった階層分類と同じようなものです。

 もともとHTMLには、このように文書を構造として理解し易いように記述するためのタグが用意されているのに、これをその目的の通りに利用していないページがあまりにも多いのが現実です。

 悲しいです。残念です。

 2つの代表的な音声ブラウザ

ホームページリーダー

ボイスサーフィン

には、次の見出しや前の見出しにジャンプする機能が用意されています。

 ですので、見出しタグが適切に用いられているページは、大変快適にブラウズできます。

 見出しタグは、メニューを飛ばすためのナビゲーションスキップよりもはるかに重要です。

 ついでに、アクセシビリティ以外にも、次のような効能が生まれます。

1. 内容を構造的に把握して作成する癖がつく。

2. 見出しタグで囲まれる文字列に心を配れば、SEO対策になる。

ALT テキスト

 第2の必須配慮は、リンクのついた画像には必ず alt テキストで説明を付けるということです。

 そして、その説明は、リンク先のページの概要が推測できるものでなければなりません。

 リンク画像に説明を付けるという意味は、リンク先を推測してもらうのが目的であって、画像事態を説明することが目的ではありません。

 ですから、リンクを貼っていない画像には、 alt で説明を付ける必要はありません。

 ページのオーナーが説明したいという意思を持っているときにのみ、オーナーさんの言葉で説明文をセットしてください。

 ついでに、これを行うことによって、次のような付随的な効能が期待できます。

1. 短い言葉で内容を要約することが上手になる。

2. 訪問者の誘導が思い通りになる。

3. ALT にキーワードを織り込むことによって、SEO対策にもなる。

本日のまとめ

1.見出しタグを用いて文書の基点となる位置をマークアップする。

2.リンク画像にはリンク先が推測できる内容を alt テキストで記述する。

 技術的にはとても簡単なことですね。

 でも、これがあるとないとでは、音声ブラウザで聞いている立場からは大違いです。

 音声ブラウザ利用者にとっての一番の悩みは、読みたくないところまで聞かなければならないことと、リンク先に行ってみなければ様子がわからないことです。

 見出しとリンクは、音声ブラウザ利用者がジャンプの基点とするマークです。

 だから、この2種類のHTMLタグが最重要なんです。

 これだけカバーすれば、音声ブラウザ利用者にとっては80点以上間違いなしです。

編集後記

 今回はいかがでしたでしょうか。

 タイトルに「こっそりできるアクセシビリティ秘策」と書きましたが、実際は構造を意識した作りになる、訪問者のナビゲートをスムーズにさせる、SEO対策にもなるということで、ホームページ製作の王道ですね。

 なにも「こっそり」やる必要はありません。

 どうか、堂々と行ってくださいね。

 今回もここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。

 以下は、おおよそ毎回同じ内容でございます。

発行理念

本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。

ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。

インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。

本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。

ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。

私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことはあるかと思います。それに気がついたときには速やかに訂正致します。

ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。

このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。

アメディア発行のメルマガ紹介

アメディアでは、本誌のほかに、以下の2つのメルマガを発行しています。

週刊福祉情報(まぐまぐ殿堂)

毎週木曜日に、障害当事者のコラムや1週間の福祉ニュースのソースを届けしています。

福祉関連トピックのプログを募集しています。

まぐまぐ登録ページ

視覚障害者の情報文化を紹介する「アメディアレポート」

毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。

アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。

まぐまぐバックナンバー


発行日 :2005年5月23日

発行人 :望月優(モチヅキ ユウ)

発行元 :株式会社アメディア

〒169-0051

東京都新宿区西早稲田2-15-10西早稲田関口ビル3F

電話番号 :03-5286-7511

FAX番号 :03-5286-2567

アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイドライン (参考にしてくださいね)

音声読み上げブラウザ「ボイスサーフィン」のページ (お試しで利用してくださいね)

ボイスサーフィンブログ (アップデートな話題で満載)

本誌定期配信

「ウェブアクセシビリティ入門」に登録

メールアドレス:

ウェブアクセシビリティ教材

ウェブアクセシビリティ関連リンク集

by amedia  at 14:31  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)