ウェブアクセシビリティ入門第22号-セミナー報告その2-
■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■
ウェブアクセシビリティ入門第22号-セミナー報告その2-
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届けしています。
目次
- 前号のポイント
- Shawn Lawton Henry氏の講演より
- Wendy Chisholm氏の講演より
- 次回予告
- 今週のアクセシビリティ診断
- 編集後記
- 発行理念
- アメディア発行のメルマガ紹介
皆さんこんにちは。発行人の望月優です。
今回は、前回に引き続き、先週、5月9日に行われた「情報アクセシビリティ国際標準化セミナー2005」の報告号です。
W3Cのお二人の素敵な女性の講演の中から、私の心に強く響いた点に注目してお知らせします。
前号のポイント
前号では、5月9日に行われたセミナーのうち、渡辺 隆行東京女子大学 教授のお話から私が感じたことを書かせて頂きました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。
Shawn Lawton Henry氏の講演より
Henry氏はW3Cの中の Web Accessibility Initiative (WAI) というウェブアクセシビリティの専門家チームの教育担当者です。
そして、「ウェブアクセシビリティの基本的構成要素」というテーマでお話して頂きました。
W3C は、メーカーなどのビジネス・セクターに対して中立の国際的な組織で、ウェブサイトに関連するあらゆる技術要素の標準化に取り組んでいる団体です。
その中の WAI が、ウェブアクセシビリティの基準を検討し、勧告として発行しています。
さて、私の印象に残ったのはこの言葉でした。
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ウェブアクセシビリティは主にウェブコンテンツ制作者の責任であるという見方は誤解です。
ウェブアクセシビリティは複数の構成要素の協調作業に依存しています。
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実際、WAIでは、以下の三つの基準を発表しています。
ATAG = Authoring Tools Accessibility Guideline
ホームページ・ビルダーなどのオーサリングツールのあるべき仕様を規定しています。
WCAG = Web Contents Accessibility Guideline
ウェブサイトのアクセシビリティのガイドラインを規定しています。
UAAG = User Agents Accessibility Guideline
音声ブラウザなどの、利用者が使うブラウザ・ソフトのアクセシビリティのガイドラインを規定しています。
こんな例を上げていました。
例えば、オーサリングツールは、HTMLの中に画像を組み込んだとたんに、「ALT テキストを入力してください」という問い合わせがくるようにする、
ブラウザは、画像を非表示の設定にしたら、ALTテキストを表示するようにする、
といったような役割分担が望ましいというご意見でした。
オーサリングツールがアクセシビリティに配慮されていなければ、ウェブ製作者に負担がかかり、利用者が使うブラウザがアクセシビリティに対応していなければ、利用者に負担がかかるという関係性があり、ウェブコンテンツ製作者がその責任をいってに引き受けるという考え方は誤っているということなのです。
皆さん、少し安心しましたか?
Wendy Chisholm氏の講演より
先生は、WCAG2.0の副編集者ということで、その見通しをお話頂きました。
現在は、1999年5月に発行された WCAG1.0 が勧告の文書となっています。
WCAG2.0は昨年11月に最新ドラフトが出ていますが、これが勧告になるまでは、 1.0が引き続き安定したレファレンス文書です。
WCAG2.0では、これまでよりもテストがし易いように、基準と具体的なテスト方法も定めるそうです。
また、WCAG1.0では、HTMLとCSSを中核とした仕様になっていましたが、2.0では、あらゆる想定される技術に共通に適合するような考え方を打ち出すとのことです。
6月に次のドラフトを発行すべく、現在取組中とのことで、今年中または来年の始めには勧告に上げられる見通しだとのことでした。
このWCAG2.0のドラフトをご覧になりたい方は、以下からどうぞ。
http://www.w3.org/TR/WCAG20/
次回予告
次号は、「音声ブラウザ対応エッセンス」と題しての、ここだけ配慮すれば90点は確実に超えるという、ウェブアクセシビリティの大あんちょこ号です。
絶対に必見です。
今週のアクセシビリティ診断
視覚障害者はラジオを聞くのがとても好きです。
そこで、今回は、TBSのウェブラジオのサイトを診断して見ました。
まず、上記のページにアクセスすると、先頭に、以下のようなリンクが配置されています。
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WEB RADIO 音声読み上げソフトをご利用の方は、こちらをクリックしてください。
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これ以外は、ほんの少しのリンクしか配置されていません。
また、内部フレームの中に入っていくと、
Real Player や
Windows Media Player のダウンロード・サイトへのリンクが貼られています。
さて、上記の、
「音声読み上げソフトをご利用の方は・・・」のところを素直にクリックすると、確かに、いろいろな番組のページや、それらの番組のつい最近の内容が聞けるようになっています。
このページは、流して聞いている分には悪くはありませんが、見出しタグが用いられていないため、基点となる個所にジャンプすることができません。
それが、一つ、残念な点です。
番組ごとに見出しタグが付けられていれば、音声ブラウザ利用者にとって大幅改善となります。
また、それぞれの番組の「ホームページ」に入っていくと、こちらの方では、リンク画像に何の説明のないところもあり、決してアクセシブルとは言えません。
トップには「音声読み上げソフトをご利用の方は・・・」という、一応の配慮が見られるものの、その配慮は全体には行き渡っていないというのが実感です。
採点:55点
ところで、先週の「森本毅郎スタンバイ」の中で、2千円札の流通を促進しようという動きが沖縄で起こっていることが放送されました。
これに対して、視覚障害者から2千円札はほかの紙幣と区別しにくく、好ましくないという声がTBSに寄せられ、ホームページでは、その視覚障害者の声も合わせて紹介しています。
私がこの原稿を書いている15日、日曜日の16時の時点ではまだそのことが上記のページに書かれているのですが、メルマガ読者の皆さんがアクセスする頃は、新しい週の番組が始まっているので、どうでしょうか。
編集後記
前号で紹介しました畑岡宏光さんと本日お合いしました。
日曜日なのに、わざわざアメディアまで出てきてくれました。
その対談の内容はここには書ききれませんが、とにかく、メルマガを軸としたビジネス展開に関してはあらゆるノウハウを持ったプロの方です。
今回もここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。
以下は、おおよそ毎回同じ内容でございます。
発行理念
本誌は、ウェブサイト作りに取り組む皆様とその構築に責任を持つ方々が皆障害者や高齢者の存在に配慮したサイト作りに励んで頂くことを願って発行しています。
ウェブアクセシビリティの分野はまだ注目され始めたばかり、その具体的なノウハウの定番はまだほとんどないと言っても過言ではありません。
インターネット技術は常に進歩、変化しつつあります。その点からみると、いくら追求しても「定番」の確立はありえないのかも知れません。
本誌では、全盲の望月優が現在までに紹介されているノウハウと自らの考察による新しいノウハウを、全身全霊を込めて説明・紹介して行きます。
ウェブアクセシビリティに関して秘密にするノウハウは一切ありません。全てのサイトがアクセシブルになって欲しいからです。
私の誤解や知識不足から、誤った説明や不適切な提案をしてしまうことはあるかと思います。それに気がついたときには速やかに訂正致します。
ですから、読者の皆様からの指摘や提案が非常に大きな手助けとなります。
このメルマガを通して、ゆるやかな「ウェブアクセシビリティ大連合」が形成されていくことを念じて、発行を続けて参ります。
アメディア発行のメルマガ紹介
アメディアでは、本誌のほかに、以下の2つのメルマガを発行しています。
毎週木曜日に、障害当事者のコラムや1週間の福祉ニュースのソースを届けしています。
福祉関連トピックのプログを募集しています。
毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。
アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。
奥付
発行日 :2005年5月16日
〒169-0051
電話番号 :03-5286-7511
FAX番号 :03-5286-2567
アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイドライン (参考にしてくださいね)
音声読み上げブラウザ「ボイスサーフィン」のページ (お試しで利用してくださいね)
ボイスサーフィンブログ (アップデートな話題で満載)
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