ウェブアクセシビリティ入門 第12号 -大原則はHTML文法-
■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■
ウェブアクセシビリティ入門 第12号 -大原則はHTML文法-
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届けしています。
目次
- WEBJISでの考え方
- ウェブサイトと閲覧環境とのコラボレーション
- HTML文法が基本
- 編集後記
WEBJISでの考え方
「ウェブアクセシビリティJIS(JISX8341-3)」(以下、WEBJISと記します)は、2004年6月20日付けで発行されました。
この中の
「5. 開発及び制作に関する個別要件」の
「5.1 規格及び仕様」のa)に、以下のように書かれています。
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a) ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。
参考:支援技術は,ウェブコンテンツが規格及び仕様,並びに文法に従って正しく書かれていることを前提に作られている。正しく書かれていない場合には,支援技術が正しく動作しなかったり, 利用することができなかったりする可能性がある。
例:適切なマーク付け言語が存在する場合は,そのマーク付け言語を使用する。
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この宣言は、支援技術に全幅の信頼を置いた書き方ですね。
しかし、実際には、支援技術側にもまだまだ問題があって、本来の技術の規格や仕様に則った動作を行わないケースもしばしばあります。
ただ、そんなことを言っていてはウェブアクセシビリティはいつまで経っても実現できませんので、WEBJISでは、片方の支援技術は仕様通りに動作するものとして具体的な規格を定めています。
ウェブサイトと閲覧環境とのコラボレーション
画面を見ることのできない視覚障害者は、操作場面でもサイトの内容を理解する上でも、いずれの場面でも音声での読み上げ機能に頼るしかありません。
ということは、音声ブラウザを用いるなり、スクリーンリーダーを用いて Internet Explorer などの画面を音声化するなりして、自分にとって便利なクライアント環境を構築してウェブサイトを見ています。
この、独特なクライアント環境で見ているという事情は視覚障害者だけのことではありません。
例えば、手が不自由な方ならば、一般的なマウスの代わりに、トラックボールを使ったり特別なスイッチを用いたりします。
瞬きで操作する方なら、画面スキャン方のスイッチを利用していることでしょう。
このように、実際のウェブアクセシビリティは、ウェブサイト作成者側の努力だけで100パーセント実現できるものではありません。
障害者や高齢者が利用するクライアント側の機器やソフトウェアの仕様や性能とのコラボレーションによって始めて実現されるのです。
HTML文法が基本
WEBJISは、JIS規格ですから、いろいろな場面に対応できる包括的なものとして決められています。
先に紹介した
「a) ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。」
という文章は、ウェブサイトを構成するどんな技術にも適応させる必要があるのでこのように書かれています。
しかし、少なくとも現段階では、HTMLの文法に従ったサイトの作り方をするということが、WEBJISの理念にかなった具体的な行動だと私は考えています。
実は、本誌第7号で紹介したように、スクリーンリーダーで Internet Explorer を読み上げている環境では、内部リンクのとび先に正しくジャンプできない場合があるなどの、クライアント環境側の不具合があります。
しかし、このような事情があるからといって、その自体を避けるためのテクニックを追求することは、ウェブアクセシビリティの本筋から離れていってしまう危険性を多くはらんでいます。
先にも述べたように、ウェブアクセシビリティはウェブサイトと閲覧環境とのコラボレーションから成り立つものですから、HTML文法どおりに動作するということは、クライアント環境側の必須事項と言って良いでしょう。
その意味で、本メルマガでは、私自身が視覚障害者ですから、視覚障害者ユーザーとして気付いたり調査した内容についてはしばしば紹介して行きますが、HTML文法に準拠してサイトを作っていくべきだという大原則は見失わないように進めて行きたいと思います。
さらに付加えさせていただくなら、ウェブアクセシビリティを考える上で、画面を見ることのできない視覚障害者にとっては、クライアント側の環境もまだまだ大変不十分なので、「ボイスサーフィン」を発売し、現在もエンドレスの状態でバージョンアップを行っているのです。
編集後記
今回の号をまとめる少し前に、名古屋国際女子マラソンが行われていて、原裕美子さんという私が聞いたことのない方が初マラソン、発優勝を飾りました。
優勝インタビューを聞いていたところ、後半は腹痛で苦しんだとのこと、インタビュアーが
「あまり苦しそうに見えませんでしたが」
と聞いたところ、
「普段から苦しさを表情に表さないように言われているので、頑張りましたが、最後は見苦しいところをお見せしてすみませんでした。」
といったような発言、なんて面白い子なんだろうと思い、 Googleで調べてしまいました。
京セラ女子陸上部の23歳の若手ホープ。昨年当たりからめきめきと力をつけてきていて、秋に1万メートルで31分台を出しているとか。
さらに興味深かったのは、1998年と1999年に都道府県女子駅伝の栃木県代表として母校の氏家高校から出場しているのですが、そのときには、47人中10番目以降の成績で、対して有名な高校生ではなかったようです。
などなど、インターネットって本当に便利ですね。
原裕美子さん、夏の世界選手権、応援していますよ!
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アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。
奥付
発行日 :2005年3月7日
発行人 : 望月優(モチヅキ ユウ)
発行元 : 株式会社アメディア
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田2-15-10西早稲田関口ビル3F
電話番号 :03-5286-7511
FAX番号 :03-5286-2567
アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイド (参考にしてくださいね)
音声ブラウザ「ボイスサーフィン」のページ (お試しで利用してくださいね)
ボイスサーフィンブログ (アップデートな話題で満載)
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