ウェブアクセシビリティ入門 第4号
■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■
ウェブアクセシビリティ入門 第4号
-ナビゲーションメニュー その1-
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届け致します。
目次
挨拶
皆さんこんにちは。発行人の望月優です。
このところようやく冬らしい寒さになって参りました。
でも私は風邪も引かず、今のところ元気いっぱい、皆さんと一緒に張り切って今週もお届けします。
ナビゲーションメニューの壁
音声でページを聞く人にとっての最初のわずらわしさは、どのページでも最初の方にそのサイト内の主要なページにジャンプするための共通のメニューリンク項目が現れてくることです。
この共通のリンク項目の塊を「ナビゲーションメニュー」と呼びます。
音声ブラウザはこれを最初から順序よく読み上げますので、素直な視覚障害者は同じサイト内では、どのページに移動してもいつも同じ内容を最初に聞かせられてしまいます。
ナビゲーションメニューの項目数が5・6個など、かなり少ない数ならば何とかそれでも耐えられるのですが、それ以上になると、これを毎回聞いているだけでいやになってしまいます。
さらに、超初心者の場合には、「わずらわしさ」ではすまないことがしばしば起こります。
いつも同じ内容が読み上げられるので、先ほどとまだ同じページを見ているのかと錯覚して、ナビゲーションメニューの中からまた項目を選んで、そのリンク先にアクセスしようとします。
すると、新しいページが読み込まれて、そのページを読み始めます。ところが、内容はまた同じ?どうなっているのかなあと思い、また、ナビゲーションメニューの中からわざわざ試しに別のリンク項目を選んでエンター。
今度も同じ内容。ついには諦めてしまうのです。
一般に、この被害に見舞われるのは、新聞記事を読みたくてインターネットをはじめる初心者の方です。つまり、新聞社のサイトは、この観点からアクセシビリティのよくないサイトが多いのです。
例:アサヒ・コム
コメント:本誌発行後、2005年3月のリニューアルでアサヒ・コムは大きく改善されています。
ねずみ帰しの例え話
静岡の登呂遺跡にいくと、米倉にねずみが入り込まないように、ねずみの侵入炉の途中に進んでもまた元に戻ってきてしまう「ねずみ帰し」というしかけがあります。これは現代の罠式ねずみ取りとは違い、単にねずみを追い返すだけの仕組みです。弥生人達は現代人よりも優しかったのですね。
私もインターネットを導入してホームページにアクセスした最初の頃、この「ねずみ帰し」に見舞われて、結局本来書かれているはずの内容にたどり着かなかったことが何度かあります。
もちろん、音声ブラウザの機能を駆使すれば、「ねずみ帰し」に引っかかってしまうことはないのですが、音声ブラウザのもっとも基本的な機能だけを用いてページを読んでいると、このようなことも起こるのです。
ちなみに、登呂博物館のサイトには「ねずみ帰し」は仕掛けてありませんでした。
WEBJIS式解決方法
高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及び
サービス-第3 部:ウェブコンテンツ JIS X 8341-3:2004
では、「5.3 操作及び入力」のHの項目で以下のように書かれています。
h) 共通に使われるナビゲーションなどのためのハイパリンク及びメニューは,読み飛ばせるようにすることが望ましい。
参考:ナビゲーションバーのようにページの上部にあるものは,音声ブラウザなどでは毎回読み上げられ,本文に到達するまでに多くの時間を浪費する。そのため利用者が必要に応じてスキップできる仕組みを設ける必要がある。
例:HTML では,ハイパリンク及びメニューの前に本文などへのページ内ハイパリンクを設けることによってスキップできるようにする。
これは、具体的には、ナビゲーションメニューの前に、
「本文へジャンプ」
とか
「ナビゲーションスキップ」
といったような、本文先頭のラベルにジャンプするためのページ内リンクを設置する方法です。
この方法での配慮は、日本ではIBMのサイトでずいぶん前から行われています。
典型的な例として、IBM「バリアフリーの扉」アクセシビリティ情報のURLを紹介します。
http://www-6.ibm.com/jp/accessibility/
このページでは、2番目のリンク項目が「本文へジャンプ」となっていて、ここでエンターキーを押すと、ナビゲーションメニューを全部スキップして、そのページの本文に飛びます。
アメディア式解決方法
アメディアでは、さらにシンプルな方法を取っています。
ナビゲーションメニューをページの最初の方には置かず、一番最後に置くという方法です。
つまり、シンプルなページでは、新しいページにアクセスすると、そのページの見出しがあって、すぐに本文が現れます。本文が終わるとナビゲーションメニューが現れるという順番です。
上記よりも少しだけ複雑なページの場合には、見出しの後にそのページ独自のリンク集があって、次に本文が現れます。サイト共通のナビゲーションメニューはその後になります。
次回予告
次回は、ナビゲーションメニューの問題を解決するためのもう一つの秘策についてお話したいと思います。
これは私の知る限りでは、WEBJISを始め、どこにも紹介されていない秘策ですので、どうぞご期待ください。
編集後記
1月8日に荻窪で行われた第2回サフラン賞の受賞記念講演会を聞きにいったおりに、受賞者且つ講演者の三宮麻由子さんの図書『目を閉じて心開いて』(岩波ジュニア新書)を購入してきました。
読書機「よむべえ」 で1時間半ぐらいで1冊分全部テキスト化して読みました。
今回の作品では、幸福を得るための内的な方向性を示唆しているように思えました。
私は社長という立場上、彼女のリーダーシップ論について特に感心を惹かれました。
バリアフリーやユニバーサル・デザインについての率直なコメントは、このメルマガ読者の皆様にも大変有益だと思います。
エッセイスト、三宮麻由子さんについては、
三宮麻由子の箸休め で詳しく知ることができます。
彼女の別の図書『そっと耳を澄ませば』(NHK出版)には、音声パソコンが「固まる君」という名前で登場してきます。頻繁に固まるからですね。申し訳ない!
このことからも、IT技術やウェブサイトのアクセシビリティも、彼女のような視覚障害者の作家が活躍する一つの土台を構成しているのだと思います。
アメディア発行のメルマガ紹介
アメディアでは、本誌のほかに、以下の2つのメルマガを発行しています。
毎週木曜日に、1週間の福祉ニュースのソースを障害当事者や関係者のコメント付きでお届けしています。
福祉関連トピックのプログを募集しています。
毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。
アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。
奥付
発行日 :2005年1月17日
発行人 : 望月優(モチヅキ ユウ)
発行元 : 株式会社アメディア
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田2-15-10西早稲田関口ビル3F
電話番号 :03-5286-7511
FAX番号 :03-5286-2567
アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイド (参考にしてくださいね)
(お試しで利用してくださいね)
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