ウェブアクセシビリティ入門 第3号
■どんな方にも判り易いウェブサイトを目指して■
ウェブアクセシビリティ入門 第3号
-視覚障害者のウェブアクセス環境-
このメルマガでは、具体例を交えながら障害者や高齢者にも読みやすいウェブサイト作りのヒントを毎週お届け致します。
目次
挨拶
皆さんこんにちは。発行人の望月優です。
今回は、ウェブアクセシビリティを改善していく上で、もっとも大きな心配りをしなければならない視覚障害者のウェブ閲覧環境について紹介します。
弱視者のアクセス環境
視覚障害者の中には少し見える弱視者と全く見えない全盲者とがいます。
弱視者は、その視力の程度や見え方がさまざまですので、一概にはいえませんが、一般によく用いられている Internet Explorer などのソフトウェアをWindowsのユーザー補助の設定などで拡大表示して利用している方が多いと思います。
弱視者用にWindowsの画面表示を拡大するソフトウェアとして
Zoom Text xtra がNECから発売されていて、強度弱視の方の中にはこのソフトで画面を拡大してお好みのブラウザを利用している方も少なくないでしょう。
さらに強度の方の場合には、この後でお伝えする音声で読み上げるソフトを併用している場合もあります。
全盲者のアクセス環境
全盲者の場合には、音声または点字での出力を利用してホームページの内容を読みます。
とは言っても、実は点字での表示を利用しているケースは比較的少ないのです。その理由は2つあります。
一つは点字で出力するソフトウェアがまだ音声で出力するソフトウェアに比べるとその数が少ないこと、二つ目は点字で表示させるための機器、「点字ディスプレイ」が高価でなかなか購入しづらいことが上げられます。
さて、音声でホームページを読み上げる場合、2つのパターンに大別できます。
第1はスクリーンリーダーと言って画面を読み上げるソフトウェアの力を借りて、一般のブラウザを音声化して読むパターン、
第2は音声出力用に開発された特別なブラウザを用いて読むパターンです。
現在、日本語のWindows画面を読み上げるソフトウェアとして、以下の5系統が発売されています。
- JAWS for Windows (日本IBM発売)~メルマガ発行後に販売終了
- PC-TALKER(高知システム開発発売) (高知システム開発発売)
- VDMW300-PC-Talker(アクセステクノロジー発売)
- 95Reader(システムソリューションセンター栃木発売)
- Win Voice(ニュー・ブレイル・システム発売)
上記5種類のスクリーンリーダーのうちのどれかを用いると、 Internet Explorer などの一般に用いられているブラウザが音声化され、その状態でホームページの内容を聞くことができます。
とは言っても、それぞれのスクリーンリーダーにはそれぞれの性能や特徴があって、ブラウザの全ての部分を音声化できているわけではありません。
また、仮に全ての部分が音声化できたとしても、 Internet Explorer などは目の見えることを前提に作られているブラウザですから、どうしても全く見えない私などにとっては今一歩使いづらい面を抱えています。
そんなときに威力を発揮するのが、最初から音声で読み上げることを前提に開発されたブラウザです。
現在、Windows環境で比較的多くの視覚障害ユーザーを持っている製品には、以下の二つがあります。
これらのソフトウェアには、それぞれ独自に工夫した音声での閲覧を助けるためのいろいろな機能が搭載されており、一般的に Internet Explorer をスクリーンリーダーの画面読みで使うよりもかなり使い易いといえるでしょう。
その辺りの詳しい内容に関しては、今後の号でおいおい説明していきたいと思います。
その他の事情
上記のほかに、新聞社のサイトのみに特化して読みやすく作成されたソフトウェアや、ネット上での辞書を検索するように作成されたソフトウェア、テレビ欄やラジオ欄を読みやすくしたもの、視覚障害者向けに用意された点訳図書や音訳図書のデータベース、ナイーブネットを閲覧するためのソフトウェアなどなど、特定のサイトに特化したブラウザがあります。
これらの中にはメーカーから発売されているものあり、シェアウェアのものあり、フリーウェアのものありでさまざまですが、いずれにしてもこのようなソフトウェアが登場してくるというのは、これらの対象になっているサイトがいかに視覚障害者にとってアクセシブルでないかということを如実に示しています。
また、MS-DOS上で動作するブラウザを利用している視覚障害者もいます。
ちなみに、私は会社ではメインのブラウザはボイスサーフィン、サブのブラウザとしてMS-DOSで動作しているVEGAというソフトを利用しています。そして、ときおり、 Internet Explorer そのものをPC-TALKERの音声化で試しています。自宅では、これらに加えてホームページリーダーもときどき使います。
次回予告
今回は視覚障害者のホームページ・アクセス環境ということで、少し詰め込みぎみな内容になってしまった感があります。
でも、この話を突き詰めると何回やっても終わらなくなるので、早く本筋のウェブアクセシビリティの話にもっていくために、この話は一応今回限りとさせていただき、以後、必要に応じて織り交ぜていければと考えています。
次回からは、「リンクについての考察」というテーマで何回かのシリーズでお話させていただければと思います。
編集後記
昨日は東京都障害者総合スポーツセンターで行われたブラインドデイという企画に参加して、「ショートテニス」という視覚障害者スポーツを初体験しました。
スポンジのボールの中に盲人卓球で使うような音のなる玉が入っていて、それをテニスラケットで打ち合うというゲームです。
しかし、これがバウンドしてくるのでなかなかうまく当たりません。私は試合はとてもまだできませんでした。
練習相手になってくれた学生さんは私が空振りをするとその玉拾いに駆けつけてくれます。私よりも彼女の方がはるかに良い運動になったことでしょう。
ふと気がつくと、ラケットを持っていた左の手首が痛くなっていました。
このセンターでは、奇数月の第2日曜日の午後3時から5時まで、「ブラインドデイ」と称して視覚障害者のスポーツの体験会を行っています。
見える方でも自由に参加できるということなので、3月13日はいらして見ませんか。
このときは、「ベルバスケット」というものをやるそうです。私は全く初耳のスポーツです。
なお、本号では、各製品の紹介ページとして、アメディアのサイト内に記載されている製品紹介ページをお知らせ致しました。
そのページの中にそれぞれのメーカーのサイトへのリンクが設置されていますので、メーカー発の情報はそのリンクをたどって頂ければ幸いです。
アメディア発行のメルマガ紹介
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毎週木曜日に、1週間の福祉ニュースのソースを障害当事者や関係者のコメント付きでお届けしています。
福祉関連トピックのプログを募集しています。
毎月第2と第4火曜日に、視覚障害者のライフスタイルや視覚障害者に便利な最新技術情報などを紹介しています。
アメディアの社員が輪番で編集を担当していますので、編集人の個性が出て、毎号雰囲気が違うのも一つの楽しみです。
奥付
発行日 :2005年1月10日
発行人 :
発行元 :
株式会社アメディア
〒169-0051
東京都新宿区西早稲田2-15-10西早稲田関口ビル3F
電話番号 :03-5286-7511
FAX番号 :03-5286-2567
アメディアのウェブアクセシビリティ・ガイド
(参考にしてくださいね)
音声ブラウザ「ボイスサーフィン」のページ (お試しで利用してくださいね)
ボイスサーフィンブログ (アップデートな話題で満載)
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