スキップナビゲーションと見出しナビゲーション
スキップナビゲーションと見出しナビゲーション
ウェブアクセシビリティ入門 第113号
皆さん、お久しぶりです。
望月優です。
今年からは月1ぐらいでメルマガを出すぞと決心したのですが、結局今年の第1号が2月に入ってからとなってしまいました。
以前毎週休みなく発行していたようなペースには戻れませんが、攻めて月1ペースでは出したいと思っています。
ところで、本誌バックナンバーを以下のサイトで一挙に公開しました。
よく毎週こんなに長いメルマガを書いていたなあと自分自身感心してしまいました。
さて、それでは、今年最初の号は、音声ブラウザで基点となる個所にスムーズに移動するための手法についてお話します。
視覚障害者のホームページ閲覧の悩み
さて、タイトルの「スキップナビゲーションと見出しナビゲーション」の話をする前に、なぜその話をするのかというバックグラウンドをお伝えする必要があります。
視覚障害者はホームページの内容を音声で読み上げるソフトウェアを使ってホームページを読みます。
これらのソフトウェアは、「音声ブラウザ」と呼ばれるのですが、これらは、 html で記述された順番に読み上げて行きます。
多くのページでは、本文の前にサイト内のグローバル・リンクが記述されています。
左側にリンクのメニューがあって、真中に本文があるという見栄えのページのほとんどは、 html の順番でいうと、メニュー・リンクが先に書かれていて、その後に本文が書かれています。
このような構造でも、メニュー部分が短ければそんなに問題はありませんが、長いメニューになると、音声で聞いている視覚障害者にとっては、いつ本文が出てくるのか大変待ち遠しいのです。
また、初心者の場合には、サイト内のメニューが同じものだから、リンクを辿って別のページに行っても、先ほどと同じページにまだいるのではないかと錯覚してしまいます。
そんなわけで、音声でホームページを聞いている人に、基点となる位置にポンとジャンプできる仕組みを用意することが必要となります。
その方法の一つが
- スキップナビゲーション
もう一つが
- 見出しナビゲーション
です。
スキップナビゲーションの手法
「メニューを飛ばして本文へ」というリンクが設置されているホームページを見たことがありますか?
あれが典型的な「スキップナビゲーション」です。
アサヒコムや読売オンラインなどの大手新聞社サイトでは、この手法を用いています。
ただし、それが目に見える形で設置されているのかどうかは、目の見えない私には判りません。
とにかく、音声ではわかるように設置されています。
この手法は、基点となる位置にジャンプするページ内のリンクを設置するやり方で、 JIS のアクセシビリティを学んだ多くのサイト運営者が採用している方法です。
ですが、この手法では、リンクの位置からしか基点となる位置にジャンプできません。
そのリンクの位置が判りにくければ、結局基点となる位置にスムーズに移動することができなくなる可能性があります。
見出しナビゲーションの手法
見出しナビゲーションは、基点となる位置に見出しタグを用いる方法です。
音声でホームページを読み上げるソフトウェアの多くは、「次の見出し」や「前の見出し」に移動する機能を持っています。
視覚障害者は、この機能を利用して、基点となる位置にスムーズに移動できるというわけです。
元来、見出しタグは、内容的に見出しである個所に貼るべきタグです。
そして、基点となる位置とは、まさに見出しとしての位置付けをすべきところなのです。
内容的に「見出し」であるところに見出しタグを貼るという手法は、 html 文法に従ったタグ付けの方法で、 「WEB標準」と呼ばれる考え方の範疇に入ります。
つまり、WEB標準を守ってサイト運営をしている人達の作るページは、すべてこの見出しナビゲーションが自動的に実現できているということになります。
見出しナビゲーションの場合には、ユーザーはどこの位置にいても、「次の基点」や「前の基点」に移動することができます。
スキップナビゲーションのように、基点となる位置に飛ぶためのリンクを探す必要はありません。
ですから、どちらが優れているかといえば、見出しナビゲーションの方が優れているといえるでしょう。
しかし、先ほど例に上げた
や
は、見出しナビゲーションとスキップナビゲーションの両方を実現しています。
これは、先ほども述べたように、 WEB標準に従えば自動的に見出しナビゲーションは実現でき、その上に JIS のウェブアクセシビリティを学んでスキップナビゲーションも配置するという結果になったのだと思います。
編集後記
今年は中小企業家同友会の行事で、全国障害者問題交流会を9月に東京で行なうことになっています。
それで、私はその実行委員長を引き受けているものですから、このメルマガを発行させていただくおりには宣伝させていただくことになると思います。
それを宣伝したいからというモティベーションでもよいから、このメルマガを定期的に発行できればと自分に言い聞かせております。
ということで、年明けの挨拶としては大変手遅れですが、本年もよろしくお願い致します。
ウェブアクセシビリティは、どんな方にも読み易いサイト作りの心配りです
セミナー・講演のご依頼はご遠慮なく!
本誌では、
「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス- 第3 部:ウェブコンテンツ」
をしばしば引用させて頂いております。
必要な方は、下記サイトからお求めください。
今回もここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。
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